自己啓発は宗教?マツコ・デラックス「宗教と変わらないかな?」発言から見えるもの
マツコ・デラックスさんの自己啓発に対する発言「宗教と変わらないかな?」に関してのまとめと考察になります。
2018年1月8日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)にて、自己啓発に関する市場規模について取り上げられました。
番組の内容は、
自己啓発に関する書籍やセミナーの市場が、2016年時点の推計で9049億円に達し、約30年で3倍の市場規模に成長したのだとか。
この記事に対してマツコ・デラックスさんの発言は
「娯楽としてね、読書を楽しもうと思って読んでいるのであればいいんだけど」「自己啓発本とか自己啓発セミナーで、生まれ変わった人を見たことがないのよ、実際に(自身の)まわりで」とコメント。さらに「自己啓発本を書く人、セミナーを主催する人で、自己啓発で生まれ変わって、その道にたどり着いた人はいないと思う」と持論を展開した。
その人にとって良かった自己啓発であり参考にする程度なら問題はないとする一方で「自分が鬱屈(うっくつ)してるものからの活路として、役に立つと思って行っちゃうと…もうあまり、宗教と変わらないのかな? っていうね」と、求め方によっては宗教的な側面があることも指摘した。
マツコ・デラックスさんの発言を簡単にまとめてみると、
- 自分の周りに自己啓発で生まれ変わった人を見たことがない。
- 自己啓発本の著者は自己啓発で生まれ変わった人ではない。
- 求め方によっては宗教と変わらないかな?
ネット上に溢れたタイトルだけを見ると、自己啓発に対して批判的な記事である印象が強いのですが、要約すると、人によってはおおむね頷ける内容にも見えます。
それでは、この3つの視点について考えてみましょう。
自分の周りに自己啓発で生まれ変わった人を見たことがない。
いきなり効果が大きく表れる自己啓発はなかなかありません。
「ゼロに小さな一を足していく」と堀江貴文氏の著書にもあるように、継続による少しずつの成長が一般的な自己啓発の形ではないでしょうか。長いスパンの中、緩やかな変化を感じるのは本人にも難しく、他者から見た場合はなおさらでしょう。
ダイエットを一つの自己啓発とするなら、その効果を目に見えて体現している方は少なくないのですが。
自己啓発本の著者は自己啓発で生まれ変わった人ではない。
確かに、ドラッカーやカーネギーが自己啓発本を読んで本を書いたという話は聞きません。
ですが、その知識や思考は若いころから何らかの教科書等、書籍の影響を受けているはずです。そういった学習の積み重ねが偉人を形にするのも事実でしょう。書籍自体は人が成長するうえで必要なものですし、自己啓発本も例外ではありません。
求め方によっては宗教と変わらないかな?
ネット上に流れた記事のタイトルは「自己啓発=宗教」を匂わせる作為的なものでしたが、実際は「求め方によっては」と前置きを付けたくなる内容に思えます。
セールス目的の怪しいセミナーやカルトな自己啓発本を実際に目にする日が来るかもしれません。そんな時、慌てて飛び付かず、正しい知識で見極め、自分にとって本当に有効な自己啓発の方法を選びましょう。